目次
はじめに
子育て中の お父さま お母さま、「ももんちゃん」という絵本をご存知でしょうか。
とよた かずひこ(豊田一彦)さんが描く、乳児から読める絵本です。
一作目の「どんどこ ももんちゃん」を、妻のお姉さんからいただいたのが最初の出会いでした。
まだ0歳だった娘がとても気に入り、「同じ作者の本はほかにあるかな?」と調べたところ、このももんちゃん自体が15年以上続く長寿作であることを知りました。
刊行されているシリーズ作品は20以上。書店のほか、図書館でも結構取り扱っているので、入手(妻が予約して借りてきてくれる)しては読み聞かせにフル活用しています。
そんなももんちゃんシリーズ、娘のリアクションを元に勝手に5段階評価を付けてみました。いうまでもなく個人の感想ですが、作品選びの手助けになりましたら幸いです。
どんどこ ももんちゃん
発行日:2001年09月10日
評価:★★★★★
記念すべき第一作目。
オムツ一丁の「ももんちゃん」が険しい山道を走り抜け、遭遇した熊を投げ飛ばして帰路につくという衝撃的な作品。予備知識がないと愕然とすること請け合いです。まず読んでいる大人が驚きます。(く、熊をなげただとー!)
笑顔で出迎える母親の様子から、日常的にこのようなサバイバルを課していることが伺われます。
裏表紙を見る限り、ももんちゃんが家路を急いでいた理由はオムツを交換してほしかったからのようです。
文章にするとこんな内容ですが、娘には大ウケ。特に通せんぼする熊のページがお気に入りで、チューしようとします。投げ飛ばされたあとの熊は、もうどうでもいいみたい。
すりすり ももんちゃん
発行日:2002年05月10日
評価:★★★★
砂場で遊んでいる ももんちゃんに、色々な生きものが「すりすり」をしていく話。
表紙のネコは新キャラと思いきや本編には登場せず、ヒヨコや犬や金魚やネズミといったさまざまな動物が ももんちゃんにすりすりして去っていきます。みな一様に「ももんちゃん いいにおい」と言いますが、金魚やネズミがすりすりしたあともいい匂いなのか謎です。最後はサボテンさんにすりすりされた ももんちゃん、トゲでダメージをうけます。家まで我慢するものの帰宅後に大泣きするお話。その後、サボテンさんの姿を見たものはいません…うそです。
サボテンさんにすりすりされた後の「いたっ!」というページが娘のお気に入り。ウケはいいのですが娘の将来が心配なので星4つ。人の不幸を喜んじゃだめだよ。
ももんちゃん のっしのっし
発行日:2002年11月20日
評価:★★★
うしさんとももんちゃんが「のっしのっし」と闊歩するお話です。正確にはももんちゃんが牛をひいて散歩につれていく話。
道中、お友達が現れ、牛の背中に乗って一緒に散歩します。今回登場するのは金魚、サボテン、お化け(お前は飛べよ)の3にん。みんな牛の背中に乗るだけで、引っ張る役目はももんちゃんに任せきりです。
終盤、ももんちゃんを呼び止める牛。とうとうももんちゃんも乗せてくれるのか?と思いきや、乗せてくれません。顔を舐めまわすだけ。
滝のような汗をかきながらも笑顔を絶やさず、一生懸命歩き続けるももんちゃんに心を打たれます。
ひとりの人間にばかり負荷をかける、この図式は現代の企業組織と重なって見え、感動しました。
しかし、娘には響かなかったようです。残念。
かくれんぼ ももんちゃん
発行日:2003年04月30日
評価:★★★
タイトル通り、ももんちゃんがお友達と「かくれんぼ」をして遊ぶお話。
「すりすり」と「のっしのっし」でイヤな思いをした影響なのか、前作までのお友達をバッサリきりすてています。
今回のお友達は全員非生物。船、車、飛行機といった乗り物たちとかくれんぼをします。
海を泳いで、島の陰に隠れている船を見つけたり、山の頂上で雲に隠れている飛行機を見つけたりと、とてつもなく広い舞台でかくれんぼをしているようです。
娘のウケはいまいち。乗り物は、男の子の方がすきなのかもね。
ごくらく ももんちゃん
発行日:2004年04月10日
評価:★★★★★
みんなでお風呂(露天風呂)に入るお話。はじめはももんちゃんだけの入浴、徐々にお友達が増えてくるという、見た目にもわかりやすい展開なので読みやすいです。
終盤に見開きで大きく描かれる、「ももんちゃんののぼせ顔」は必見。「ももんちゃんの顔が! ぴんぴんぴんのピンク色!」の読みあげ方に技量が問われます。
仲間たち「ももんちゃんが あがりますよ~」
お母さん「は~い」
というくだりを娘が覚え、「〇〇ちゃんが 〇〇ですよ~」と声をかけると「は~い」と返すようになりました。かわいいので星5。は~いはお母さんのセリフなんですけどね。
ももんちゃん ぽっぽー
発行日:2006年04月25日
評価:★★★
タイトルと表紙から想像がつくように、電車ごっこのお話です。金魚、サボテン、お化け というおなじみの3人と一緒にごっこ遊びをします。
そのままトンネルに入っていき、なんと本物の汽車を引っ張り出してきます。列車強盗!?トンネルから出たあとは、盗んだ汽車で走り出します。
話の大半が効果音で構成されており、読んでいても感情が乗りませんでした。
そして娘の反応もふるわず。2点。
※妻いわく、効果音を本気で読めばそれなりに喜んでくれるとのこと。修行不足でした。プラス1点。
ももんちゃん あーん
発行日:2007年04月20日
評価:★★★
食事しているライオンの親子と ももんちゃん。
ライオンの子供が「あ~ん」と口を開けたので ももんちゃんは自らの食べているおにぎりを差し出します。つぎにももんちゃんが「あ~ん」をすると、ライオンの親子は何もくれず「歯がかわいいねぇ」と、毒にも薬にもならない言葉をかけて、うやむやにします。ライオン、二人掛かりだから強気な交渉に出ているのでしょうか。熊をひと投げできるももんちゃんに対して、いささか無謀な気もしますが。
ラストでライオンの子供がももんちゃんにリンゴをあげようとしているのを見てひと安心です。
理不尽だなあ!と思いつつも、「かわいいねぇ」のシーンは娘がそこそこ気に入っているようなので星3つ。
ももんちゃん ぎゅっ!
発行日:2011年09月15日
評価:★★★★★
子熊と羊という新キャラが登場。背中を向けたキャラクターの絵と「〇〇ちゃんのほっぺ、みーせて!」という文章。ページをめくると、こっちを向いて笑顔で「はーい」という、「いないいないばあ」みたいな展開で進みます。最終的には、みんなでそろってほっぺを「ぎゅっ!」とします。
「すりすり」でももんちゃんにダメージを与えた植物兵器サボテンさんもしれっと登場します。みんなでほっぺぎゅっ!のシーンでは、ひつじさんがサボテンさんを受け止めます。羊毛がクッションになっているのかダメージは無い様子。
ぎゅっ!のときに娘が頬を突き出してくるようになり、超かわいいので満点です。
ぱたぱた ももんちゃん
発行日:2012年03月15日
評価:★★
物語の舞台は空へ。なんとヘリを操縦しているももんちゃん。やはり、この子供ただものではない。。。
船に乗る金魚、車を運転するサボテンなど、常連キャラの意外なスキルを垣間見ることができる作品でもあります。
ヘリで雷雲に突入し、かみなりさんやてるてるぼうずさんと一緒に空の散歩を楽しむというスケールの大きな話です。しかし、スケールが大きいぶん引いたアングルの絵が多く、娘のウケは今一つでした。残念!
まてまて ももんちゃん
発行日:2013年12月10日
評価:★★★
タイトル通りの追跡劇です。冒頭からひたすら前進を続けるももんちゃん。一作目「どんどこ ももんちゃん」を思い起こさせます。
本作では、雨粒、蛙、ペンギン、金魚といったやけに水っぽいお友達がももんちゃんを捕まえようとしますが、ももんちゃんは意に介さず前進します。
まあ、熊でもダメでしたから…。
最終的にはももんちゃんがお母さんを「つ か ま え た!」でエンド。お母さんの運命やいかに…と思いきや、こんどはお母さんがももんちゃんを追いかけるおいかけっこが始まるようで安心。たのしい内容ですが、雨粒のシーンを読み聞かせで表現するのが非常に難しい。我こそはという親御さんは是非挑戦してください。私には無理でした。
なでなで ももんちゃん
発行日:2016年03月01日
評価:★★★★
具合の悪い登場キャラクターのお腹を、読者が「なでなで」して治してあげる話。
「すりすり」でももんちゃんを泣かせた、あのサボテンさんも登場します。「なでなで してくれる?あっ、いたかった?」って、お前わかっててやってるやろ と言いたくなります。
結局サボテンさんは、「なでなで」ではなく「ふーふー」をして治療することになります。
娘は、他のキャラへの「なでなで」はするのですが、サボテンには触れようとしませんし、ふーふー吹こうともしません。幼いながらに、こいつぁヤベエやつだ、ってわかっているのでしょうね。
おんなじおんなじ ももんちゃん
発行日:2017年10月11日
評価:★★★
みんなで協力してゆきだるまを作り、作った雪だるまと遊ぶというお話。
タイトルの「おんなじおんなじ」は、雪だるまとももんちゃんの格好が同じということです。(2回ぐらい読んで気づきました)
内容的にもわかりやすくホッコリする話ですが、娘の反応はイマイチ。まだ雪遊びを体験したことがないのでピンと来ないのかもしれませんね。
最後にももんちゃんは雪だるまを家に連れて帰りますが、溶けないか心配です。
コメントを残す